運の強い会社に育てる「雑談力」

運の強い会社に育てる「雑談力」

2019年11月15日

安田 正
株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ 代表取締役

安田 正

「どうしたらうまく話せるんだろう……」取引先との商談前のちょっとした会話。交流会など人脈を広げるための機会。スタッフのモチベーションを高めるための挨拶。人の心を掴むには、ほんの少しの会話が重要だったりもします。話し始めるきっかけや盛り上げる流れをなかなか作れずに、雑談が苦手と思ってしまう人も少なくありません。また、雑談を苦手とする部下を育成するのも一苦労です。 出会ってすぐに心を掴み、次に繋げるためには一体どうしたらいいのか。コンサルタントとして多くの一流企業経営者にも指導をされてきた『超一流の雑談力』著者・安田正氏に、その秘訣を2回に渡ってお伺いします。

  • 第1回 外からも内からも試されている社長の「雑談力」
  • 次につながる社長はなぜ「雑談」を大事にするのか
  • 重要な情報を教えてもらえる人ともらえない人の違い
  • 初対面で「できない人」から「できる人」へ印象を変えるには
  • 第2回 仕事と人生を豊かに導く「雑談力」
  • なぜ話すこと、伝えることに苦手意識を持ってしまうのか
  • コミュニケーション力を磨いたその先に必要なこと
  • 初対面で相手の心を掴む会話の広げ方
  • 相性の良いビジネスパートナーを増やしていく方法

第1回 外からも内からも試されている社長の「雑談力」

次につながる社長はなぜ「雑談」を大事にするのか

——経営者の方は、雑談や交渉がうまい方が多いイメージがありますが、悩みを持っている方も少なくないようです。実際にお仕事で経営者の方とお話をする中で、雑談力について何か感じることはありますか?

仕事上、色々な一部上場企業の経営者と対談する機会が多くあります。やはりその中でも、人間的な魅力に惹かれ「また会ってみたいな」と思う方もいれば、失礼ながらその場限りになってしまう方もいます。経営者のすべての方が、雑談力やコミュニケーション力が高いとは限りません。なので、意識して練習されていない方に出会うと、ちょっともったいないなと感じてしまうこともあります。私自身、社会の中で成長し、豊かな人生を送るためには、人との出会いが大事だと考えています。どんな人に出会い、どんな情報を手に入れられるかで、仕事も生活もずいぶん変わっていきます。良い情報を手に入れていくためには、それにふさわしい努力が必要になってくると思います。

重要な情報を教えてもらえる人ともらえない人の違い

——社会の中で成長し、豊かな人生を送るための情報とは、どういったものでしょうか?

世の中には、結局は運が良い、悪い、ということがあると思います。例えば宝くじに当たるとか。これは、運が良いとか悪いとかの話なので、神様が決めるようなことです。ですが、運が強いか弱いか、というのは、私はその人の努力次第だと考えています。運が強くなれるかどうかは、自分の努力や他人の評価で変わってきます。同じ会議に出席していても、有力な情報を得られる人と教えてもらえない人がいます。これは運の良し悪しではなく、運が強いかどうかです。大事な情報は、お金を払っても得られるものではありません。それだけの価値のある人にしか教えてもらえません。自分がどう見えるかを意識し、努力を重ねた上で他人の評価を得られる人は、信頼されて、様々な情報が入ってきやすくなり、どんどん運も強くなっていきます。そういった中で、良い仕事ができたり、成長を続けたりして、人生を豊かにできると考えています。

初対面で「できない人」から「できる人」へ印象を変えるには

——それはやはり、コミュニケーション力を磨いていくということでしょうか?

はい、日本では、コミュニケーション力を軽視している方に度々出会います。コミュニケーションはトレーニングをしなければ上達はしませんし、うまくできないと良い仕事にも繋がりません。特に、若い方の中で社交性が無い場合は、とてももったいないと思います。ゴルフやパーティーなどの何気ない場面でも、コミュニケーションをうまくとれると、いろんなチャンスも広がっていきますし、人生がどんどん楽しくなっていきます。特に仕事の場面でいうと、私達は、何気ないコミュニケーションの中で他人をレイティング、つまり「この人はこういう人だ」という評価を下しています。交渉の中でもコミュニケーションがうまくできると「この人はなかなかやるな」とか「この人に任せたいな」と評価されますし、反対にコミュニケーションがうまく噛み合わないと「この人とは付き合わなくていいな」とか「この営業は時間のムダだな」なんて思われてしまうこともあります。それは、部下もそうですよね。上司のコミュニケーションを見ながら「この人にはついていきたいな」とか「この上司は頼りにならないな」なんて思っていますよね。これに気づいていない人が案外多いと思います。レイティングしない人なんて実際にはいませんからね。

「また会いたいな」と思わせる人間力。ふとした場面でのちょっとした雑談力。日常ではなんとなく当たり前のように思われているようなそんな力を重視し、磨いていくことで、大きな結果につながっていくと安田氏は語ります。効率的なコミュニケーションができるようになると、営業の結果もずいぶん変わってきます。それまでは「もう仕事をやめたい」と感じていた新人社員も、雑談力が身につき、うまく交渉できるようになると、難しい案件にやりがいを感じるようにもなります。取引先とも、上司部下との関係も、ビジネスにおいて、コミュニケーションは欠かすことができません。コミュニケーションに、効果的な雑談を取り入れることで、「次もお願いします」と言われる、運の強い人、運の強い組織になることができるのかもしれません。 次回【第2回 仕事と人生を豊かに導く「雑談力」】では、雑談に苦手意識を持ってしまう原因や、うまくいっている人が工夫している方法についてご紹介いただきます。

ぜひ、経営参謀クラウド 無料体験登録をしていただき、第2回コラムをお読みください。

安田 正

株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ 代表取締役

対人対応トレーニング、交渉術、ロジカルコミュニケーション、プレゼンテーションなどのビジネスコミュニケーションの領域で、官公庁、上場企業を中心に1700の団体での講師、コンサルタントとして指導実績を持つ。オスカープロモーション所属。また、早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授の他、東京大学、京都大学、一橋大学などでも教鞭をとる。

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