ホーガンアセスメント導入事例

三菱重工業株式会社様インタビュー

三菱重工業株式会社様
三菱重工業株式会社
航空・防衛・宇宙ドメイン 民間機セグメント
企画管理部 管理グループ グループ長土本 幸茂

三菱重工グループは、1884年(明治17年)の創立以来、日本の近代化とともに歩み、130年以上、ものづくりとエンジニアリングのグローバルリーダーとして、造船をはじめ、交通・輸送システム、民間航空機、発電システムなどのインフラ、宇宙システムに至るまで、幅広い分野に高度な技術力で統合したソリューションを提供しています。これからも長年にわたる豊富な実績とノウハウ、人材を駆使して、世界の人々や地球にとってより良い未来を目指します。

人を客観的かつ、定量的にみることができる

聞き手(弊社コンサルタント) ホーガンアセスメントを導入されたきっかけについて教えてください。

土本 大規模な、あるプロジェクトで、社内外から人を集める必要があったのですが、実際に、人を集めてみると、プロジェクトにうまくマッチする人とそうでない人がいました。取り組みを進める中でわかったことですが、その人が持っている資質や今後のポテンシャルをみていくことが必要だということがわかりました。そのことから、人をただアサインするのではなく、どういう人がこのプロジェクトに適しているのかを可視化したいと思い、プロジェクトメンバーであったあるパートナー企業を通じて、富士ゼロックス総合教育研究所(現 パーソル総合研究所)を紹介してもらいました。その際、人を客観的かつ、定量的にみることができるツールとしてホーガンアセスメントを紹介してもらいました。

聞き手 アセスメントの導入を検討する際、ほかのツールも検討されましたか?

土本 はい、いくつか比較検討しました。あるアセスメントは、国内で主に学生の採用時に使われるアセスメントだったのですが、それですと、バックグランドにあるデータが、日本人のみで構成されていることが気になりました。日本人の中で優れている、優れていないということだけでなく、その人材がグローバルレベルで通用するのかどうか、知りたかったからです。その案件は、海外の人が多いプロジェクトだったので、日本人だけのデータというよりは、グローバルで通用するものを条件にしていました。
別のアセスメントは、グローバルで通用するものではあったのですが、ホーガンアセスメントは、人が予期せぬ、ピンチになった時にどういう行動を示すのか(HDS)や行動のドライバーとなる価値観(MVPI)も鋭く、えぐるような結果が出ていたので、通常の状況でのパーソナリティ(HPI)とあわせて、多面的に人物像を浮かび上がらせるという点を評価してホーガンアセスメントを採用しました。

聞き手 実際にホーガンアセスメントを導入してみていかがでしたでしょうか。

土本 実際に自分もホーガンアセスメントを受検し、メンバーとレポート内容を共有したのですが、そのとおりだと納得できる結果でした。人によっては占い的な要素と言われる方がいらっしゃるかもしれませんが、自分自身がアセスメントを受検して、自分の気持ちや考えに忠実に答えて、データ化されているので、納得感が高まるのではないかと思います。

聞き手 裏づけのあるデータを可視化して人をみていくところをご評価いただいているということでしょうか。

土本 はい。データをとらなければ、何も検証できないまま終わってしまいます。データをとり、それをベースにして、人材のアサイメントをすると、その時点ではアサイメントした結果がうまくいく、いかないの両方がありますが、長期的にみていけば、確実に打率があがっていきます。データをベースにしないで采配しても一時的なものであり、何を基準にその人を選んだのか確固たるものが残りません。蓄積したデータを分析すれば、結果が外れたとしても積み重ねれば、打率もあがっていきます。間違ったら、検証して、次の人材を決める、配置をするなど、材料として使っていくことが大事だと思います。

ただそうはいっても、組織では、上長のご判断や想いは大切なので、2つを併用する必要はあります。客観的で何もバイヤスのかかっていない科学的アプローチも大事にし、上長の考えとあわせて決めていくことで、その会社なりの人材配置ができるのではないかと思います。

科学的なデータと上長の考えの2つを併用してアサインの質を上げる

聞き手 科学的なデータと上長の考えの2つを併用してよりアサインの質を上げていくということですね。

土本 はい。実際、ある部門の上層部からどのようなタイプの人がエンジニアに適しているのかを調べてみたいと依頼があり、海外の交通システム関係のプロジェクトメンバーと航空関係のフィールドサービス(カスタマーサポート)のエンジニアに、ホーガンアセスメントのトライアルを行いました。レポート結果からは、アフターサービスのエンジニアに向く人の資質が浮かび上がり、それをデータで示したところ、内容的にも納得いただきましたし、トライアルをやった依頼側も手ごたえを感じることができました。

聞き手 逆にアセスメントを受けたご本人からの反応はありましたか?

土本 はい。本人からも自分で受検した結果であり、本人から自然に出てきたものをベースに話しをするので、いいところは伸ばしてあげて、足りないところは補ってあげるような話が自然とできるのだと思います。

聞き手 そのような声は色々なお客様からもお聞きします。自分が答えたものなので、比較的、受け取りやすい。それをもとに同じものさしで周囲の方と話し、自分自身の理解につなげている、とのことのようです。以前は、自分を理解する試みはどのようにされていましたか?

土本 部署ごとに取り組んだりしているものがあるのですが、どうしてもばらつきが出ることが課題です。部署が変わるとまた結果が変わったりしますので、組織としては、ある一定のものさしでみられたほうが良いと思います。ホーガンアセスメントは、グローバル基準で自分のスコアをみることができるのは面白いところだと思います。行動のドライバーとなる価値観(MVPI)は、基本的なものなので、変わりにくいと思いますし、ほかのアセスメントでも同様と聞いています。通常の状況でのパーソナリティ(HPI)や人が予期せぬ、ピンチになった時にどういう行動を示すのか(HDS)は、経験を重ねれば、暴走したりすることはなくて、スコア的には変化してくるのではないかと思います。

グローバルに通用するものさしでの人材育成が可能に

聞き手 ホーガンアセスメントのことを深くご理解くださりありがとうございます。自分を理解するツールの中でもグローバルで共通したものさしではかれるところが、良いということですね。

土本 例えば、営業部門なら営業部門でホーガンアセスメントを受けてもらうと、トップセールスの波形も似たような波形が出てくるのではないかと思います。ホーガンアセスメントのサービスに、62のコンピテンシーとの紐付け(コンフィギュア)がありますが、それを使ってみると、ある部分のコンピテンシーのスコアに特徴が出ます。それをもとに、自社のテンプレートをつくることができれば、同じような波形の人を採用することができるようになります。採用時にホーガンアセスメントを受けてもらった人の波形をみて、今後、5年10年後に伸びそうな人を選抜し、教育するというのもあるかもしれません。実現すれば、人材にあわせた育成も可能になります。

聞き手 まさにそういったご要望は、グローバルにも多くあります。ある職種のテンプレートを作るようなものですね。

土本 例えば、TOIEC950点でも、人と話しをしたり折衝したりするのが苦手なタイプの人、翻訳することが好きな人にセールスをやってくれといってもできません。履歴書に書けるようなスキルだけでは、なかなか人を可視化することはできないです。

聞き手 そうですね、スキルと資質を組み合わせて、人をみていくということですね。

土本 ホーガンを知ってそういうことも理解できるようになりました。

聞き手 ある組織風土の中で成功するパターンに、関心を持たれるお客様もいらっしゃいます。

土本 チームビルディングにも使ったりできるのでしょうね。個が集まって組織ができるので、 組織としてとっても、興味深いかもしれません。採用時など、社風に合うか合わないか、別の会社のほうが輝けるかもしれない、など手がかりになるかもしれませんね。

取材:2018年8月。所属・役職は取材当時のものです。

※富士ゼロックス総合教育研究所は、2019年7月パーソルラーニング株式会社に、
2021年4月株式会社パーソル総合研究所に社名変更しました。

人材開発・組織開発

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